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内田善美 自選複製原画集3

「オスカー、19歳になった彼の、作者さえ信じられない変貌ぶり、お隣の異様な猫さんはエリザベス二世(雄)」ー内田善美自選複製原画集より抜粋ー

オスカーという名前が出てきたので、紐解いてみると「かすみ草に揺れる汽車」に出てきた主人公の少年オスカーだと思われます。

 

ジャケットのツイードの質感、ベストのウールの質感、クッションのベルベットの質感、床の木の質感…思わずため息が漏れます。漫画やイラストという域を超えて、これはもう「絵画」だと思います。

 

↓数少ない単行本「かすみ草に揺れる汽車」の表紙のオスカー少年。つまり↑上の青年は↓下のオスカー少年の数年後を描いたイラストと思われます。よっぽど好きなキャラクターだったんでしょうね。

↑あ〜本当だ!同じポーズで描いてますね〜。「かすみ草…」に出てきた時はおそらく14歳くらいかな?翠瞳銀髪しかも少年ボブ、しかも少年セーラー服。映画「ベニスに死す」の↓ビョルン・アンドレセンの影響はあるような…

ポーズもよく似ている…つか、背景のステンドグラスの柄も同じ…これ、この時のビョルン・アンドレセンへのオマージュの表紙だったんですね〜

 

「少年」を描くことに、ある種のこだわりを持っていた内田善美。その片鱗が伺えます。

 

おまけ。「かすみ草に揺れる汽車」の単行本巻末に描かれた描き下ろし見開き記事。1Pづつ画像を載せますね。字が小さいので、読めるかな〜。僕と書いてますが内田善美は女性です。

 

ファンには垂涎の画像。ノリに時代を感じますが、当時ハロウィンなんて殆ど知名度のなかったお祭りを書いてるところも古き良きアメリカ好きの内田善美らしいですね。

 

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内田善美 自選複製原画集2

 

 

 

自選集4枚目はモノクロ絵。ですが、実際はカラー絵のようです。こちらはコミック「ひぐらしの森」の中に掲載されている「時への航海士」という短編の冒頭カラー表紙に続く2P目の漫画原稿です。(コミックの中では、この絵の上にモノローグ(文字)が書かれています)

 

世界地図…細か過ぎる。でもね、よく見てください。大学ノートが描かれています。常に絵の質感にこだわった内田善美。スキャン機のないこの時代、どうやってこの大学ノートの模様を再現したのでしょうか。手で模様を描いたのでしょうか?もしね、原稿に直接、大学ノートの表紙を貼り付けて印刷所にこのカラー絵を出したとしたらコラージュカラー絵ですよ。真相は謎ですが…。

 

この絵を見ていると、ユーミンの「航海日誌」が聞こえてきそうです。

 

私が内田善美の漫画に出会ったのは中1の時。うちは引越族だったので、その1年間だけ通った山梨県のとある中学校で、今まで見た事も聞いた事もない そんな漫画や音楽や様々なものに出会い、毎日が不思議な感覚だったのを覚えています。

 

家の廻りには桑畑、一番近いバス停は1日3本しかバスが停まらない。学校までは徒歩で約1時間。学校の校庭からはアルプスの山並みが360度のパノラマに見え、その山を見ながらトボトボと温泉街を抜け家路につく、そんな毎日。

 

なんでそんな事を書いてるかと言うと、以前姉と、その山梨での1年間の話をしたから。不思議な事にお互いその1年間での想い出は全く別物でした。人が違うから感じるモノが違うのは当たり前なんだけど、同じ家に住み、同じ学校に通っていたのに、全然違う想い出をお互いが持っていた1年間。でも共通していたのは、その後、他県に移り住んでからの想い出は現在にそのまま繋がっているのに、この山梨の1年間だけは、どこか現在に繋がっていない まるで「切り取られたような想い出」だったこと。

 

内田善美も山梨出身。どこかですれ違っていたかもしれないな〜なんて想いを馳せながら彼女の作品に触れると、その時の不思議な気持ちを今でも鮮明に思い出します。こ〜いうのをノスタルジックって言うのかな〜

 

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内田善美 自選複製原画集1

今回の記事は長いですよ〜。今日は このブログ検索ワード1位の敬愛する消えた漫画家 内田善美の自選複製原画集からのイラストです。全部で12枚あり、サイズもB4と かなり大きいのでスキャンが大変ですが、ブログの小さい画面に収まるようにアップ出来ればと思います。

 

彼女の(内田善美は女性です。以前メールで「内田さんは男性ですよ」と、わざわざご指摘を頂き調べたところ、女子大卒であることが判明。彼女の漫画家時代の友人の漫画家さんも内田さんは女性であると証言しています)著作物は全て本人の意向により再販が認められず、常にオークションでは高値が付くので、私も見つけたら即競り落とし、ほぼ全作品を手中にしましたので、出来るだけ彼女の絵が世間の目に触れられるよう少しづつアップしていこうと思います。

 

まずは1枚目。「アムレードーー米軍の戦略偵察機「ロッキードSR-71」の様な怪異な黒の威容(いよう)を彼にも持たせたかったのに…」(内田善美自選複製画集より抜粋)

 

それでは、自選集の中に記載の内田氏のコメントと一緒にご紹介します。

 

「数少ない原稿の中から《少年》の絵をがんばって(無理やりとも云ふ)選び出しました。この様なかたちの画集を出すなど、また胃が痛くなりそうです。まったく私はカラー絵など思い通りにいかない度合が高いので、憂鬱状態が長くなりますし、当然、運筆も減速の一途をたどります。本当にこれは精神的重労働です。(編集者にも…)それでこの様な沈鬱な絵になるのかしら、などと思わざるを得ません。本来は地を駆け(かけ)、天翔け(かけ)、光の中で戦い続けている。そんな《生きている少年》が佳い(よい)のです。ほんとに!」(内田善美自選複製画集より抜粋)

 

 

まずは1枚目、自選集の表紙にもなっているカラー。コミック「秋のおわりのピアニッシモ」に掲載されているファンタジー作品「銀河 その星狩り」の表紙カラー絵です。

 

彼女の絵は大きい画像(今回はB4サイズ)で見ても細密画です。一切の妥協がない。CGのない時代のカラー絵で、この質感は圧巻ですね。

1977年ファンタジー作品「銀河 その星狩り」あらすじ

 

「幼い頃、商の星の牧童になりたいと言っていた王子・オージンと彼に仕えるアムレード。今は彼らも立派な大人になり、死にゆく母星・赤星にかわって居住可能な星・緑星に、一族の運命をかけて戦いを挑む。血で血を洗う惨劇にオージンは疑問を抱きながらも、生き残るために剣をとり続けた。ある日、彼は死にかけた敵方の少女を目にする。と、そ二へアムレードの戦死の知らせが入り、少女とアムレードがだぶったオージンは少女を助ける。少女・フレイヤも南の星の存在を信じている事に心揺れるオージン。そして殺戮に別れを告げ、平穏を求めて、二人南の星めざし旅立つが、後には追手がかかり…。(『増刊ぱふ』1986年vol.2より抜粋)

↑2枚目。

 

こちらも同じ作品のカラー表紙(主人公 王子オージンと少女フレイヤ)です。外国童話の表紙みたいですね。萩尾望都やロードオブザリングの世界観がお好きな方なら、お勧めの62Pからなる物悲しいファンタジー作品。上記はこの作品の2枚のカラー絵(又はイメージ描き下ろしカラー絵かも)です。原画集の中に添えられた筆者の言葉は…

 

「オージンとフレイヤーどういう訳か赤毛に、それも子供でない少年と少女のそれにひどく惹かれます。」(内田善美自選複製画集より抜粋)

 

そう。内田氏の描く少年って「子供でない」少年なんですよ。

↑クライマックスの1P。スクリーントーン一切なしでこの迫力!緻密に計算された白い空間バランス。溜息が漏れます。

 

当時の少女漫画は1Pのコマ数が6〜10コマが普通ですので、62Pで言えども現在のコミック1冊分くらいの内容が凝縮して盛り込まれています。しかも、内田氏のコマですから細密画漫画。言葉選びも詩集を読んでるようです。

 

「掲載誌が小さかったので、原寸大のこの絵のボリューム感が出なかったように思います。この淋しさは作者だけのものでしょうか…」(内田善美自選複製画集より抜粋)

 

わかります、この気持ち。こちらの掲載誌は「ぶ〜け」でしたので、大型単行本とほぼ同サイズ。

 

私も印刷対応原稿サイズで描いて、携帯配信で一コマ一コマ分割されたり(全コマ同じ大きさで表示泣)スマホ画面で漫画をお届けするのは本来本意ではないですもん。だから、この内田氏の気持ちは痛いほどよくわかります。

原稿と同じサイズのB4だと、もの凄い迫力です。彼女が自選集に選んだのも頷けますね。

 

コミック「秋のおわりのピアニッシモ」は内田氏のデビュー作「なみの障害者レース」が同時掲載されている単行本で計4作品掲載されていますが、単行本出版に際し、モノクロで全て表紙だけ新たに描き下ろしているようです。

 

↓こちらはその同作品描き下ろしの方のモノクロ表紙。

 

このブログ、幅400pixelしか載せられないのが悔しい。細かすぎて線が見えない笑。マントの模様…凄すぎる。漫画の域は軽〜く超えてます。これはもう芸術。漫画っていう日本の文化は中々侮れないですね。

 

全体像(グレースケール)↓

またもスクリーントーンなし。ペンのみ。誤魔化しのない画像。

 

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検索が多いので、以前紹介した今は消えた内田善美という漫画家の作品を再びご紹介。単行本刊行は10册程度。活動期間は約10年間。いなくなる後半の作品群は、芸術作品の域に達しています。↑代表作「星の時計のLiddell」の表紙。宗教画じゃ〜ありません漫画です。ありえな〜い
↑同じく3巻の表紙。背広の質感といい、溜め息が出そうです 勿論CGなんてない時代、すべてアナログ!
↑この作品、当時としては大判で印刷も紙も良く、一冊内にカラー絵が4枚挿入されています。今思えば、これは出版社の良い選択だったと思います。
↑見開きのカラー絵の色鉛筆絵。微妙な色合いと質感です。
↑カラー絵。CGが発達した現在でも、ここまでの緻密さと質感を描ける漫画家やイラストレーターさんはそういないと思います。
肝心の漫画ですが、この作品は著者の作品の中でも、かなりスピリチャル。ちょっと一回読んだだけでは全く理解出来ない様な深い内容と世界観です。一言で言うと漫画というよりは叙情的。私は好きですけどね〜
あらすじは、アメリカ人の青年ヒューは夢に何度も出て来る「ある少女の面影」を追って、金木犀の薫るその少女のいる「家」を探す旅に出る。手掛かりは彼の夢の中の映像と香りのみ。その旅に同行するのは、親友のロシア貴族青年ウラジーミル。旅が深まるにつれ、ウラジーミルはヒューが「その少女が存在する彼岸側」に消えてしまう予感を いつしか抱く様になる。果たして、その家は見つかるがヒューは…。
漫画として読むと、ちょっと面食らいます。外国の詩集や小説やフランス映画と画集が一つに織り合わさった様な不思議な読後感と圧倒的な世界観。勿論、画面の美しさは芸術作品の域ですから、絵が気に入られた方なら画集感覚で手元に置くのもいいかと思います。(但し、前記事にも書いてますが、著者の行方が不明なので再販の予定はなく絶版。オークションかマーケットプレイスからの高値の購入のみになります)
↑ロシア貴族青年が持つ屋敷の庭のコマ。色んな意味で凄い背景!
↑NYの場面の一コマ背景…漫画と言うより一コマ一コマがイラストとして完成されていますね〜
↑携帯から撮影した見開きのページ。よ〜く見て下さい!これ全部ペンではなく鉛筆画なんです!
↑上のページのアップ画像。細かすぎて呆然自失 勿論トーンなんて使ってない!
↑こちらは普通のページ。と思いきや、よ〜く見るとソファの質感が違います!実はペンで描いてるページのソファの模様だけ質感を出す為に鉛筆で描いているんです! 鉛筆画が好きな私は、この緻密に計算されたこの画像に釘付けになりました。
この方、手を抜くという事を知らない漫画家さんだった様で、あとがきなんかに「漫画家になってからの記憶がない」くらい忙しさに謀殺されていた様です。そりゃ、ここまで描き込んでたら時間ないはずだわ〜
↑おまけ。こちらは自薦画集のモノクロ画像。この画集の画像も又いつかご紹介出来ればと思います。
ひぐらしの森

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最近、百合漫画をよく目にする様になった。私は自分がBL漫画を描くけど、BLってジャンルが好きかと言うより、自分が女だから描くなら男性同士が描きたいだけで、読むのは漫画全般面白ければ どんなジャンルでも読む。で、今回は以前取り上げた内田善美という漫画家の「ひぐらしの森」という読切り短編漫画をご紹介。
これ、何十年も前の作品だけど…百合漫画だと思う。勿論キスとか肉体関係とかそ〜いう表現は一切なく、少女漫画なんだけど少女漫画っぽくない。私は著者の作品の中で、この作品が一番好きです。とても甘酸っぱくそれでいて切ない。
←好きな構図v
あらすじは、高校の入学式、同じクラスメートになった沙羅と志生野。我が儘で美しい沙羅が心を寄せるのは、誰にでも優しいクラス委員で大人しい志生野。2人の少女の細やかな心の交流を描いた作品。
前回の記事にも触れましたが、この内田善美という漫画家は10年間執筆活動した後、突然漫画界から一切姿を消し、著者の単行本は本人の許可が降りない(のか?)為、復刻も再販も一切なく、オークションでは常に高値がつく程のレア物。カラー絵は宗教画のように美しく神業のようです。
この著者の「星の時計のLiddle」という作品は語弊があるかもしれないけどBLっぽい。というかアレはBLだろうと…(友情以上恋愛以下っていうのが やたら私のツボをぐりぐりと…)いや、私が百合脳とかBL脳とかだからそう見えるのかも(多分そうだ) とにかくこの方の作品って純粋に男女物もあるけど、晩年(最後の方ね)何かこう何とも言えない危なっかしい感じがあって、読めば読む程 味があるんだよね〜なんというか、食べた後、ほんのり香る香辛料の様な…勿論、表現上の古臭さは否めないけど、そこをさっ引いても私は好きだな〜 こ〜いう作品を読むと百合物を一度描いてみたくなります。但し、今となっては高額な作品なので、一概に購入して読んでみて!とは安易にお薦めはしません!(ココ強調)ただ、この絵に食指が動いた方には、一度読んで頂きたい作品です。
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内田善美という漫画家
今回は、以前消えたブログで一度紹介した、今はもういない内田善美という漫画家をご紹介。特にいなくなる最後辺りの作品は、燃え尽きたのでは…という言葉が出る程、渾身の筆使い…いやペン使い。おそらく、今まで見た漫画家の中で最も絵が美しい。10年程活動した後、突然いなくなった漫画家で、本人の承諾が得られないという理由から、その後、著者の漫画は一切増刷、刊行されず、オークションでは常に高値がつく。
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