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箱の中・檻の外(木原音瀬)


私の中で封印を解いてしまった木原音瀬。「美しいこと」を読んだ時に感じた予感は的中。BLジャンルという枠の中に押し込めておく質の作品じゃない、文学の領域です。とにかく、これを読む人はまずタオルを一枚用意して下さい。必ず大泣きします。

所謂文章が上手いとか、お話がよく出来ているとか、そういうレベルの話ではなく、BL的ファンタジー要素も全くありません。どこまでもリアリティに沿っているし安易な設定も勿論ない。又、綺麗事を扱いながらも綺麗事にありがちなクサさや堅さは微塵もない。そこが凄い。何度でも読み返してみたい衝動にかられる、そんな作品です。

あらすじ....堂野崇文は痴漢と間違われて逮捕されるが、冤罪を訴え最高裁まで争ったため、実刑判決を受けてしまう。入れられた雑居房、殺人刑で服役中の喜多川と出会う堂野。最初は馴染めなかった刑務所の中で、堂野は徐々に喜多川に心を開くようになる。 出所し喜多川と別れてから六年経ったある日、堂野は喜多川に再会。喜多川は「ずっと捜していた。一緒に暮らしたい」と告白する。六年前とまったく変わらぬ一途な想いに堂野の心は乱れるが、すでに堂野には妻も子供もいた。

読んだ後、暫く放心状態に。ここまで人間の持つ心情の奥深さを淡々と押し付けるでもなく繰り広げる作者の手腕に脱帽。まず、BL作品ですがBL苦手な一般の方にも是非読んで頂きたい。特に男性。この作家さん、前作で「もしかしてすごい作家かもしれない。でも、読んだら影響されそうで、ちょっと遠ざけておこう」と放置していたんだけど、自分へのご褒美としてこの2冊を選んで買った。読んで、やっぱり凄かった。私はBL作品は自分の創作の資料として購入する事の方が多い。でも、この作家さんはそういうのを抜きにして読んでみたかった。

創作する私にとって萩尾望都は神。水城せとなは尊敬する漫画家。恐らくここにこの木原音瀬が入ってくる。これから少しづつ彼女の作品を自分へのご褒美毎に集めようと思います。ただ純粋に願わくば、この位 人の心を揺さぶる作品を描ける様になりたいものです。

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『美しいこと』木原音瀬