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初恋のあとさき(日高ショーコ)
 
来ました日高ショーコの新刊!既に重版がかかっていました。 今回は「嵐のあと」と「シグナル」のスピンオフモノで、この3巻目で終結だそうで、こ〜いう本の出し方もあるんだな〜と勉強になった一冊です。

まずはあらすじ。仕事仲間との待ち合わせに立ち寄った喫茶店で仁科は、高校のクラスメートで初体験の相手の美山と10年振りに再会する。現在、仁科は離婚し、美山はその喫茶店のオーナーとして働いていたが、二人はお互い気付かない素振りを続けていた。が、ついに美山は故意に仁科に「忘れたフリ」をしていた事を明かす。10年前、仁科が美山に言い放った最後の言葉…。大人になった二人の間に、お互いの苦い記憶の底に浮遊する初恋を、10年という歳月は埋める事が出来るのか…

あらすじを読んでわかる様に、かなり回想シーンが挿入されてます。大人と違って、高校生でゲイを自覚し、ノンケのクラスメートを攻めるのは、かなりかな〜り勇気のいる事だと思うんですよ色々とね。ソコのトコをじわじわ〜と描いています。

今回のコミックは花音ですので、今まで(ご紹介した)日高さんの本よりもエロ度高めです。又、設定としては「シグナル」の2年後→「嵐の後」の2年後→「Double line」の2年後→「初恋のあとさき」となっています。

又、今回の収録は「嵐のあと」の美山のスピンオフ「初恋のあとさき」と、「シグナル」の岡田のスピンオフの「Double line」と「初恋のあとさき」の後日談ショートの3本立てとなっています。

いいね〜こういうちょっこっと出て来た脇役が、がっつり主役になったスピンオフって。私はまだ「嵐のあと」と「シグナル」を読んだ事がないんだけど、これ読んだら欲しくなっちゃった〜 なんつ〜か一粒で2度美味しい(古)

美山は生粋のゲイを高校生の時から自覚しているんだけど、仁科はそうじゃ〜ない。ソコが二人の間の距離感を微妙なモノにしてて、でも結婚の失敗を経験した事により、仁科の心が以前の子供だった時とは違う感情が揺れ動くんですね〜。傷つけた者と傷ついた者の心の葛藤の描き方が「エグい」です。だから読んでてドキっとする瞬間が何度もある。相手の心の中を見透かした瞬間に見せる人間のドロドロした部分とかの描き方が本当に上手いです!

私だけかもしれないけど、こ〜いう微妙な心理表現が、ちょっと木原音瀬と似てる様な気がします。日高さんの作品は、別の原作者タキエさんがネームまで書いてるから、漫画の構成が漫画家さんの描く漫画というより、小説の漫画化という感じなんですよね〜なんとな〜くだけど。だから表現が細かいのかも。(日高作品は刊行時にかなり加筆を加えるそうですが、恐らく原作者タキエさんが、自分のネームでは分からなかった雑誌掲載時の原稿を見た後、熟考するんじゃ〜ないかな?!)

二本目の「Double line」の方は、大人の男二人のちょっとした倦怠期のやりとり。でも最後にはほっこりします。

日高さんの作品は、字書きさんの微妙な心理表現を、あの卓越した画力で絵描きさんが仕上げ、作品毎にレベルがアップ。期待を裏切らない一冊です!勿論★5つ。是非!

余談だけど、こういう原作者と作画担当が別で有名な漫画家はCLAMPやnaked ape等々。でもBL界では日高ショーコだけじゃ〜ないかな?! そういう意味でも、じっくり作品を作れる環境の作家さんなので、今後も応援してゆきたいと思います
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