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「トーマの心臓」外伝『訪問者』(萩尾望都著)

 JUGEMテーマ:漫画/アニメ

行き詰まると読むMy神の本。今回ご紹介するのはあの「トーマの心臓」のオスカーの過去を描いた外伝「訪問者」。言っておきますが、読むと大泣きします。
代表作「ポーの一族」は完結後「描きたい事は描き切った」と語り、その後、出版社側の強い要望にも一切応じなかったけど「トーマの心臓」は連載後、著者は二つの作品を残しています。一つはこの「訪問者」、もう一つはエーリクが義理父シドの住むボーデンで過ごした夏休み「湖畔にて」の2作品(こちらは漫画ではなく絵本)。
そのラストシーンの数ページをご紹介。↑(オスカーって金髪だったの?)本編で何度も挿入されるオスカーの幼少期をじっくり丹念に描いています(これを執筆時にはもう大御所扱いだから本編の様にページの制約がないしね〜)
↑ラストはオスカーが父に連れられてシュロッターベッツにやって来る所で終っています。この時のユーリには本編の様な影がありません(サイフリートとの事の以前という設定の為)
「トーマの心臓」は著者が見た映画「悲しみの天使」というギムナジムで愛し合う上級生と下級生との物語の最後、仲を引き離された下級生が列車から一人で飛び降りて死ぬというバッドエンドで終った為「その残された上級生の気持ちをきちんと昇華させたい」という著者の妄想から生まれた作品というのは有名な話。
そしてこの「訪問者」はオスカーの父が妻(オスカーの母)を殺すシーンから始まり、シュロッターベッツにやってくるまでを描いた作品で、本当は本編に入れたかったけど、当時連載の人気が殆どなく(この逸話はこちら)いつ連載を打ち切られてもおかしくない状態だった為、結局入れられず、いつかどこかで描きたいとずっと思っていたところ、著者の才能を最初に見抜いた山本編集長が創刊する少女漫画雑誌の目玉にと依頼され、満を持して描いたというエピソードが残っています。
もう内容はここで蘊蓄語るより読んで下さいとしか言えない。著者はあの松本清張の名作映画「砂の器」のイメージで描いたと語っています。これを読んで「トーマの心臓」をもう一度再読すると一粒で2度美味しいという(死語)… 
こんなふうに、描いてる内にキャラの背景がどんどん湧き上がって来るのはよくある話で、それだけキャラが立っている…というか描いてる本人が、そのキャラが好きな証拠だと私は思うな〜 (栗本薫も夢枕獏もこのシリーズではオスカーが好きという…ちなみに私もそう
又、近い内にもう一つのサイドストーリー「湖畔にて」もご紹介出来ればと思います。