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「僕の楽園」という作品の経緯3

JUGEMテーマ:BL漫画

第3弾の記事です。第1弾第2弾の記事はこちら。このブログ、色んな方が検索で閲覧されてるようですし、何かの参考になればと思い、書ける範囲で記事にしておこうと思います。

 

まず、今まで私が携わった出版社さん及び編集社さんは、最後まできちんとした気持ちの良い対応をしてくださいました。とても有難いことです。

 

そして、この「僕の楽園」は再編成、修正、加筆、原作書き換え等、配信されていたものとは全く違った新たな作品です。(タイトル「僕の楽園」は既存のまま、使用している原稿も有り)

 

勿論、当時 原稿料も配信印税も頂いた作品です。前記事にも書いた通り、当時はガラケー向けのコマ配信でしたので、ページでの配信はなく、スマホの普及に伴い、印税の振込もここ数年は全くありませんでした。

 

前にも書きましたが、僕楽の主人公である国仲刧というキャラクターは私の中でまだまだ描けるキャラでした。

 

そこで作品の再編成に伴い、その権利を一旦全て戻して頂こうと思い、動き始めました。というのも、この出版社さんとは契約書ではなく発注依頼書を捺印にて交わし、そこには作品の二次使用や出版権等の記載があったからです。

 

まずは行政書士の先生にご相談し「著作権は作者にある以上、原稿料や配信印税の有無は直接、他社配信の可能性とは関係がなく、当初の契約(口約束も含め)が、独占的な配信契約の趣旨があったかどうか、もしなければ、そのまま作者が作品を使用しても全く問題はありません。但し、出版社さまには、その旨、事前にご連絡及び了承を得た方が今後の為にもよろしいかと存じます」という類のお返事を頂きました。

 

そこで今度は、この文章を持って直接 出版社さんにご連絡。当時の担当さんは数年前に既に退社され、現配信担当者さんと交渉することに。

 

私の全作品の配信停止及び全ての権利の返却をお願いしたところ、一つ返事で快諾。(私の他にも数名の作家様から同様の申し出があったとのこと)そこにはきちんとした理由がありました。その担当さん曰く「原稿料や配信印税の有無に関わらず、作品は3年経てば、全ての権利が作者様に自動的に戻ります。漫画は知的財産ですから。出版業界では当たり前のことですよ」とのことでした。この辺の事情はこちらも参照。

 

そして更にご丁寧にも「アーカイブされた作品のデータは必要ですか?お渡しすることは可能ですが…」と聞かれましたが「必要ありません」と答えると「それでは、今後の当社の参考データとして保管させて頂きたい」とご要望がありましたので勿論承諾。

 

そして、全ての作品の権利を返却すると明記された、社印押印済の書類も出版社側にて作成して頂き、最後の最後まで本当に気持ちの良い対応をして下さいました。

 

これには更に後日談があって、配信停止に伴い、今までの印税未払分の集計したものを後日振込ますとのこと。どうせあっても千円くらいだろうと思っていたら、なんと十数万の振込があってびっくり!当時の担当さんから僕楽は年間ランキング100位に入るくらい売れたとは聞いてましたが、自分では全く実感は湧かず、今になって「結局単行本にはならなかったけど、少しは出版社さんにお返し出来てたんだな〜有り難い」と思いました。本当に感謝です!

 

 

漫画は単行本化されていれば、何らかの形で作品は残ります。私の大好きな漫画家 内田善美は増刷の許可を本人が出さず漫画は絶版。単行本は万が着く高値で取引されていますが、それでも全ての作品を大枚はたいて手元に揃え、何度も何度も読み返します。

 

どの作品も一度単行本化されていれば、作者が亡くなろうが失踪しようが、作品を読むことは出来るのです。漫画は日本が世界に誇る知的財産、作者にとっては作品そのものが埋もれてしまうのが一番辛いことなのです。漫画業界の中でも私のような最末端の存在でもこうなのですから。

 

それでも1人でもたくさんの方に、これからも私達の作品を楽しんで頂けたなら、こんなに嬉しいことはありません。

 

 

関連記事 : 「僕の楽園」という作品の経緯1

関連記事 : 「僕の楽園」という作品の経緯2

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